新卒教育で「本を読まない」と嘆く前に上司が出してはいけない5つの条件
「新入社員が全然本を読まないから課題にしてる」「スキルアップのために本を読ませる」と言っている上司。「本なんて読む時間無いっすよ」「プライベートな時間に仕事を持ち込まないで下さい」と返す新卒。どこの会社に行っても見かけるこの光景。
僕は本は役に立つと思っているし、本屋に行くこと自体が好き。今は。でも昔はそうじゃなかった。初めて会社に入った当時は「仕事しに会社行ってるのに、家でも仕事(指示された読書)しろとか言うの?」って思ってた。
新卒だった時なんて遠い過去になった今あらためて考えると、上司の振り方で本を読むようにも読まないようにもなるんじゃないか。
目次
読書にイチイチ条件を出す上司
「新卒が仕事できない…そうだ本を読ませよう!」って発想からついやってしまいがちですが、イチイチ条件を出して読書を「させる」上司が多い。
週に○冊は絶対読みなさい
夏休みのラジオ体操出席カードじゃないのですから、新卒本人のペースで読ませてあげたら良いんです。
本が(物理的にも内容的にも)厚いか薄いかに関係なく「○冊読め」と決めるのはナンセンス。毎週、完読冊数をチェックされて、目標未達になると叱責…。それでは本がどんどん嫌いになってしまいます。
読んだらレポートを出しなさい
1冊読んだら○文字以上のレポートを出させる。レポートに赤を入れて返される。そのレポートの修正に時間が取られて次の本が読めない。そして悪循環へ。
わざわざレポートにまとめて合格しないと本当にダメですか?この手の多くの新卒レポートは「レポートチェックを通過するためのレポート」に過ぎず、できる新卒はレポートを書こうが書かまいが、自分の成長につなげていく。
読んだことをまとめさせるのは重要ですが、レポートの直しばかりに時間がかかっては読書の目的を見失います。
自分のお金で買いなさい
上司がその本を持っているのに貸してくれない。会社で図書購入補助金が出るのに使わせてくれない。自分の財布から出せ、と言う。
「自分のお金で買ったほうが真剣に読むから」という気持ちも分かりますが、上司のあなたが貸してあげれば、もしくは新卒同士で買った本を借り回せば、少ない予算でたくさん情報が手に入るんじゃないのか。
それでも「これを読みなさい」と指示するのなら、会社として課題図書を購入しましょう。
1冊読んだら1つ自分の行動を変えなさい
できる新卒は言われなくてもやります。手帳にメモ、付箋に書く、といった手段まで指示しなくても大丈夫。
心配な新卒には「こうやって大事なところを記録して」とアドバイスして、「1つでいいから行動にするとしたら何?」と問いかけてあげましょう。
時間がない?通勤電車で読みなさい
当然ながら路線によっては混雑状況が大違い。満員ギリギリの車両では本を読むこと自体が困難です。
時間がないと主張する新卒には「休日にカフェで読むと気分転換できていいよ」と実体験を語ってあげましょう。
本は大事だと「気付き」がないと無理
本を読むことが目的になってしまうと、そんな読書は続きません。本を読んで得た知識を実業務に活かして上手くいったと体感できない限り、いつか読まなくなってしまいます。
「読書でスキルアップ」が上手くいかないのは、読む側の新卒の問題だけでなく、読ませる側の上司にも問題があります。
本嫌いだったぼくが本を読むようになった気付きは、上司との面談で「今これに困っていてうまくいかない」と相談した後日、「これ読むといいよ」と渡してくれた一冊。
「世界に60億人もいるのに、あなただけの問題なんて存在しない。誰かが同じような問題を抱えて、解決し、本にまとめている。その経験に学ばないのは効率が悪い」。
そう言ってくれた上司のおかげで、今では毎週本屋に行く。