仕事の優先順位を明示して効率的に仕事をこなす/『トリアージ仕事術』

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「仕事は優先順位を付けてしろ!」と上司に怒られた経験は、新卒時代に誰もがあるのではないでしょうか。緊急の事案があるのに、いつの間にかやりやすい「いつものタスク」に着手して、大事なことが終わらない。そうならないための手法を医療の現場で使われる「トリアージ」に学びます。

10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術

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優先順位を赤→黄→緑→黒で付ける「トリアージ」

識別救急とも呼ばれるトリアージは医療用語。災害時など人材・資材が著しく不足する際に、治療の優先度を決めるために用いられる順位決定法だ。

黒:カテゴリー0

既に死亡、または救命の見込みが無い者。

赤:カテゴリー1

一刻を争う生命に係る重篤な状態の者。

黄:カテゴリー2

赤ほどではないが早期の処置を要する者。処置が必要であり、場合によっては赤に変化する可能性がある。

緑:カテゴリー3

今すぐの処置は必要がない者。

治療対応の優先順位は赤→黄→緑→黒となる。この色が付いたタグが傷病者の右手首に付けられ、その色によって今後の治療優先度を他のスタッフが判断していく。

ナビス トリアージキット トリアージタッグ 0-9640-12

黒を付けられた生存者は、残念ながら治療を行われることはない(もしくは赤・黄全ての対応後、生存していれば治療が行われる)。

災害医療のように通常の対応キャパティシィを圧倒的に上回る被害が出た場合には、この優先度を守らないと本来救えた命さえ失われる事になる、重要な判定だ。

「全ての患者を救う」という医療の基本に反する、例外中の例外として行われる対応であることを忘れてはならない。

仕事の優先順位も「トリアージ」に習う

大前提として、通常の業務でトリアージを行うことはあり得ない。使う機会が無いのが当然好ましい。

しかし、何かのトラブルなどにより、圧倒的に人が足りない、もしくは投じられる時間が限られている時にはトリアージ法を応用することが最善解を導ける事がある。

命が失われていくような災害医療の現場ではないので定義を少し変えてみよう。

黒:カテゴリー0

自分、または自分が属するチームでは対応不能→上長に対応を仰ぐ、または別のチームに協力を依頼する。

赤:カテゴリー1

緊急に対応しなければならない事項・タスク→何よりも優先して着手する。

黄:カテゴリー2

赤ほどではないが、早期の対応を要する事項・タスク→通常案件より優先して着手する。

緑:カテゴリー3

通常運行で回るレベルの事項・タスク→赤・黄が完了後に着手する。

これであれば、仕事の優先順位付けにも活用できるのではないだろうか。しかし、仕事であるがゆえ、黒=何もしないという訳にはいかない。

それによって起こりうるその他の事象を自分では思いもつかないことが多いような案件になるだろう。上長もしくは適した専門チームに協力を仰ぎ、自らの力以外で解決を図る。

枠の大きな話であれば、経営的にその事業は捨てるというような高レベルの判断が行われることもある。黒を付けるということはそういうことだと頭において、「本当に黒を付けるべきか」を判断しなければならない。

赤・黄については、冷製に考えればこれらを早期に着手することが重要だと誰しもが理解できるだろう。しかし現場では、着手しやすい緑に手を付けてしまい、結果として赤・黄が終わらない案件になってしまう事がある。

トリアージした色タグを周りのメンバーとシェアして、自分の判断が正しいかどうか、また自身が付けたトリアージ(優先度)に応じて動けているかを周りにチェックしてもらう。

これらができて初めて、仕事にトリアージを活かすことができる。

単に「優先度を付けて仕事をする」というのは簡単だ。しかし、言うは易く行うは難し。そんな時はトリアージタグを思い出し、そのタスクは何色なのかを判断、分かる場所に記載して具体的な優先度を決めることで仕事を進められる人間に近づけるだろう。

『10の仕事を1の力でミスなく回す トリアージ仕事術』

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